矯正治療、マウスピース矯正のリスクについて

今回は矯正治療のリスクや歯周病との関係についてお話ししたいと思います。

 

最近では、マウスピース矯正が大人気です。従来のようなワイヤーを付けずに済むため、見た目や違和感などにおいて優れており、より手軽に始められるからでしょう。

 

しかし最近、残念なことになってしまっている矯正治療中の患者さんがいらっしゃいます。

 

当院は歯周病を専門にしている医院ですので、歯茎が腫れたとか歯が揺れてるなどを主訴に来院される方が多いです。

その中で、他院にて矯正治療中の方で歯周病が放置されながら矯正を始めてしまっている方が意外と多いのです。

 

矯正と歯周病には密接な関係があります歯周病というのは歯の周りの骨が溶ける病気です。一方で矯正は骨を溶かしながら歯を動かしていく治療になります。歯が動くときに、その周囲では骨が溶けたり、また添加されたりしながら動いていきます。

 

歯周病が悪い状態で矯正力をかけてしまうと、歯周病が悪化してしまうリスクがあるのです!頑張って何年もかけて歯を動かしたのに、抜かなきゃいけなくなってしまうことがあるのです。

 

なぜ、矯正医はそれに気づかないの??

 

矯正を専門にしている歯科医師の経歴は、患者様が思ってらっしゃる以上に、特殊です。

 

多くの場合、卒業して研修医が終わったら大学の矯正歯科というチームに入ります。矯正科に入った後は、虫歯の治療や歯周病の治療を行うことはほとんどありません。今の40歳以上の歯科医師だと研修すらなく、卒業してから矯正しかやってない人もいらっしゃるかと思います。

 

虫歯については、矯正中は矯正装置によって歯磨きがしにくくなるため、矯正医も注意していると思います。治療も削って詰めるだけなので、一般歯科の歯科医師にやってもらってね、だけですみます。

 

しかし、歯周病の治療について理解している矯正医は少ないです。虫歯の専門医はありませんが、歯周病の専門医は必要なくらい、歯周病治療は特殊です。矯正医の中には、ほとんどわからない人がいてもおかしくないのです。

 

お子様は歯周病になることはほとんど考えなくていいのですが、成人の方が矯正される場合には、必ず歯周病のチェックを受けたほうがいいと思います。

 

そして、矯正中もしっかり歯周病予防のメンテナンスを受けていただくことで、治療中の悪化も防ぐことができます。

 

矯正専門医院ではなく、当院のような歯周病の専門医院において矯正を行っている意味はここにあります。

 

なお当院の矯正医は2人とも、卒業後、一般歯科治療や口腔外科治療の経験をした上で矯正科に入っているので、よりご安心いただけると思います。

 

またインビザラインなどのマウスピース矯正については別の注意点があります。

 

上記のように、矯正医というのは卒業して矯正治療の研鑽を積んできています。矯正治療は1人あたりの治療期間が長いので、より経験が重要になります。

 

しかし、インビザラインなどのマウスピース矯正は矯正専門医ではなくても簡単に始めることができてしまうのです。

例えば、私(太田)は矯正については本当に簡単なものしかやりません。しかし、やろうと思えば明日からでもマウスピース矯正を始められるのです。矯正治療を行うためのライセンスはないからです。歯科医師であれば誰でもできます。(メーカーによっては、講習を受講することは必要ですが、それもただそれだけのことなので、誰でも始められます)  

 

マウスピース矯正は、ワイヤーを曲げたりなどの技術は必要なく、一般歯科をやってきた院長が片手間にやるのにちょうどいいのです。自由診療だから、費用も高く設定でき、経営的にも助かるのです。

しかし、矯正は難しく、予定通りに歯が動かないことがあります。そういう場合は、従来のワイヤーを使った矯正を使わないといけない場合もあるのですが、片手間にやってる歯科医師にはできません。結果、満足のいかない仕上がりになってしまっている方もいらっしゃいます。

 

「そこは矯正専門医院ですか?あるいは矯正医がやってますか?」と聞くのですが、意外にも、院長がやってました、っていう人が多いです。

もちろんもともと一般歯科をやっていた院長が、矯正を始めて、とても上手な場合もあるとは思います。しかし、患者様の立場でそのような歯科医師を探すのは難しいでしょう。

矯正を専門とする歯科医師にやってもらうほうが、安心です。

 

 

当院では簡単なケースを除き、矯正の専門でない者が扱うことはありませんので、ご安心ください。

 

【監修】
監修 太田純也

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